ata-net.jp - ATA-net – 多様化する嗜癖(しへき)・嗜虐(しぎゃく)行動からの回復を支援するネットワークの構築

Description: 多様化する嗜癖(しへき)・嗜虐(しぎゃく)行動からの回復を支援するネットワークの構築

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人は何かにハマります、何かに萌えることもあります。 それらは生きる糧となり、生きる意欲ともなります。 趣味、娯楽、余暇として嗜む程度のものは人間に必要な「余分」「余白」といえるでしょう。 しかしそうではない事態もあります。 嗜むという「余裕」ではなく、逼迫した何かがあり、当面の課題の回避にむけて自己流に問題を解決するやり方として選択されていく「もの」や「こと」があります。さらにそれは「する」という行為として持続します。 たとえば、アルコールや薬物の摂取、ギャンブルや風俗サービスの利用、暴力、虐待、いじめ、体罰などの暴力の行使です。すべてが犯罪となるわけではありませんが、違法なものや問題行動との連続線上にあります。禁止された薬物の使用は犯罪とされます。対人暴力は、私的領域で、親密さや一定の関係性をもとにして起こりますが徐々に社会問題とされつつあります。病的ギャンブリングは生活困難をひきおこします。ネット、携帯、風俗などの過度な利用は対人関係に課題をもたらします。これらを端的に表現する言葉があります。「のむ・うつ・かう」です。ここに「なぐる」を加えてもいいでしょう。 何らかのままならない事態があり、徐々に大きくな

こうした習慣となった行動に「禁欲と禁止」を説くだけでは解決困難です。触法行為となれば「処罰」も待っていますが、罰だけでは解決できません。なぜなら「禁欲・禁止・処罰」の系だけでは、本来抱えている課題と向き合うことにならないからです。逆に、回避・逃避・無視・隠蔽などを伴いやすいのです。 さらにアディクションとなることでバランスをとっていたことが崩れていくかもしれません。問題を解決できずにいる自分が採用している荒療治としてアディクションがあるとも考えられます。「禁欲・禁止・処罰」だけではバランスが崩れていき、それに替わる「もの・こと・ひと」を代位することがないと問題に直面する力が出てこなくなります。回復という言い方はこの力をつけることを意味します。やり直し、立ち直り、回復(リカバリー)、脱暴力、離脱へと向かうことを可能にする必要があり、そのための理念、制度、臨床、実践、手続きを開発していきたいと考えました。 アディクション問題をかかえる人たちの多くは、触法、加害、逸脱、問題の側にいる人たちとなります。その人たちとの離脱に向かう協働となります。だからこその難題があります。

第1は、対人暴力のことです。DV、虐待、ストーキング、性問題行動、いじめ、ハラスメントなどは犯罪化されていない行動群と地続きです。いかなる犯罪化をすべきなのか、詳細に事案をみれば、嗜虐性もあり、再行動化しないような脱暴力への支援を組み込んだ、行動変化を促すプログラムが要請されるべきです。 これらを嗜虐問題と把握することにより、暴力行動が習慣化し、葛藤解決行動として常態化していることをとらえることができます。暴力を通じて関係性と相互作用をコントロールすることに満足感や達成感を得ています。これらのことから暴力という行動に依存しており、暴力を向ける他者が不可欠であることから関係依存や行為依存としてみることができます。諸外国ではDVコートなど脱暴力の受講命令を組み込んだ犯罪化と脱暴力化が組成されています。

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