Both life and (rice) wine should be enjoyable.
「笑いは百薬の長」とか「笑いに勝る良薬なし」とか、或いは「 一笑一若 いっしょういちじゃく 」などという言葉が御座いますように、古来より笑いは健康に良いとされておりますこの国の世界に誇るべき文化の一つである 落語 を前稿にてご覧になり、既に腹を 捩 よじ って下さりました皆々様には必要無かろうテーマで御座いますが、曾て『ワインと健康 (⇒赤ワイン編) (⇒白ワイン編) 』について述べました上は──今迄の記事において健康にとって有害な考察も少なくなかった事は棚に上げて──日本酒と健康の関係について無視する訳には行かなかろうという次第で御座います。それに加えまして、これは前稿において述べられた事で、また 態々 わざわざ 述べなくとも日本人なら大抵知るところでありますが、日本人の飲酒は酔う事が第一義とされます。それは民俗学的考察にも基づくものなのですが、飲酒による非行(※1)、交通事故、アルコール依存症、離婚や家庭崩壊、そして常習的欠勤といった社会的弊害が原因でもはや酔っ払いが許されず、且つアルコール離れが広まっているこの時分、人々にどの様にして清酒に親しんで貰うかという事が問われている今、超高齢社会ならではの健康
※1 英国外交官オールコック(Rutherford Alcock、1809~1897、滞日1859~1864)は日本見聞録『大君の都』で次の様に書いている──「郊外の花見で鯨飲し、凶暴になって刀をふりまわす侍や、泥酔して道路上に大の字になって寝ている下層階級の男・・・総じて飲むと狂暴になる日本人」